循環器内科の紹介
1.循環器内科とは
循環器内科では血管やリンパ管の疾患と心臓の疾患を診断・治療します。同じ疾患でも治療方針にはいくつかの選択肢があることも多々あります。治療の選択肢を十分に説明し、できるだけ患者様個々の要望に沿った治療に努めます。
血管造影室の設備を用いて、虚血性心疾患や下肢動脈のカテーテル治療(風船治療やステント治療)、徐脈性不整脈のペースメーカー治療なども行います。また、必要に応じて入院治療も行います。
2.循環器内科であつかう疾患
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高血圧
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脂質異常症
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高尿酸血症
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糖尿病
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慢性腎臓病
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心不全
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虚血性心疾患(狭心症・急性心筋梗塞)
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下肢閉塞性動脈硬化症
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不整脈など
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肺動脈血栓塞栓症、深部静脈血栓症
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睡眠時無呼吸症候群
3.治療法
a.高血圧、脂質異常症(高コレステロール、高中性脂肪など)、高尿酸血症の治療
これらの疾患は動脈硬化の原因となります。主には外来で、生活指導や投薬治療などを行っています。
b.糖尿病、慢性腎臓病の治療
循環器疾患では、糖尿病や腎臓病を合併していることが多く、これらの疾患に関しても併せて診療を行っています。また、必要に応じて糖尿病専門医や腎臓専門医と連携をとりながら診療をすすめています。
c.虚血性心疾患(急性心筋梗塞・狭心症)の治療
心臓の表面を走行する冠動脈に狭窄や閉塞をきたす疾患で、胸痛や胸部圧迫感などの症状が出現します。心電図、負荷心電図、心エコー検査、心臓CT、心臓カテーテル検査などによる診断を行い、必要に応じてカテーテル治療(風船治療やステント治療)や投薬治療を行っています。また、急性心筋梗塞や不安定狭心症などの救急疾患の場合は、緊急でカテーテル検査や治療も行っています。
d.下肢閉塞性動脈硬化症の治療
下肢の動脈に狭窄や閉塞をきたす疾患で、歩行時の下肢のだるさやしびれ、疲労感などの症状に加え、重症化すると足先の潰瘍や壊死に至ります。診察所見に加えて、脈波検査、造影CT検査、カテーテル検査などによる診断を行い、必要に応じてカテーテル治療(風船治療やステント治療)や投薬治療を行っています。
e.心不全の治療
何らかの原因で心臓の機能が低下し、呼吸困難感や息切れ、むくみみなどの症状が出現した状態を心不全といいます。心機能低下をきたした原因(虚血性心疾患、弁膜症、心筋症、高血圧性心疾患など)を調べ、原因に応じて適切な治療を行います。
f.不整脈の治療
脈拍が通常の状態より早くなったり、遅くなったり、乱れたりする状態の総称を不整脈といいます。不整脈の種類は複数ありますので、通常の心電図に加えて、24時間心電図(ホルター心電図)、長時間(1週間)心電図などで診断を行います。24時間心電図や1週間心電図などは外来でも検査可能です。診断後にそれぞれの不整脈に対して必要な治療を行います。脈が極端に遅くなる不整脈(徐脈性不整脈)に対しては、ペースメーカー治療を行っています。
g.肺動脈血栓塞栓症、深部静脈血栓症の治療
肺の血管や全身の静脈(特に下肢)に血栓ができる疾患です。超音波検査や造影CTなどにより診断を行います。内服薬や点滴による治療のほか、場合によりカテーテルによる治療や静脈内へのフィルター留置を行うこともあります。
h.睡眠時無呼吸症候群の治療
夜間睡眠中に呼吸が停止する疾患です。口や鼻から肺の入り口である声帯に至る空気の通り道が細くなるために発生する閉塞型,呼吸を調整する脳の働きが低下するために発生する中枢型,これら両方が関係する混合型に分けられますが,いずれも高血圧、不整脈、心不全などの循環器疾患と関わりがあります。重度の場合は、日中の異常な眠気、倦怠感、起床時の倦怠感などの症状を伴います。精密検査のためには、一泊入院のうえ睡眠ポリグラフィー検査が必要ですが、外来で施行可能な簡易ポリグラフィー検査でもある程度の診断は可能です。無呼吸の程度次第では、睡眠中に鼻や口にマスクを装着して行う持続陽圧療法(CPAP療法)を導入しています。
4.担当医